みなさんこんにちは。
本日は、アマガサヘビの生態についてまとめていきたいと思います。
アマガサヘビは猛毒種で有名なコブラ属アマガサヘビ属に分類されるヘビです。
インドでは四大毒蛇として恐れられ、国内では特定動物に指定されています。
今回は、アマガサヘビについてのポイント、
以上8個の点についてお伝えします。
それでは、アマガサヘビの写真(画像)を見ていきましょう!
目次(クリックで飛べます)
アマガサヘビの写真(画像)!特徴や性格は?足がある蛇と言われているの?英語名や名前の由来は?
上記写真がアマガサヘビです。
アマガサヘビの最大の特徴は、その黒と白のバンド模様です。
実際は濃い青みがかった黒色もあり、アマガサヘビの全長に比例して白〜クリーム色をした、約21〜30個ほどのバンド模様が全身に入ります。
ウミヘビの警戒色に酷似しており、2016年の遺伝子調査までは、ウミヘビ起源説も唱えられていたほどです。
アマガサヘビは毒蛇特有の三角頭ではなく、幅の広い楕円形をした黒色の頭部を持ちます。
総排泄口より先の尾部が極端に短く尖っているのも顕著な特徴でしょう。
アマガサヘビの毒性はタンパク質へのダメージに特化している「ペプチド毒」と呼ばれるものです。
これを受けると全身の筋肉の動きが完全に止まり、呼吸困難や心臓にダメージを受け死に至ります。
致死量はたった2〜3mgで、針先に塗布した毒を一突きするだけで成人男性の致死量に相当します。
現地のヘビ捕りでさえ、アマガサヘビは危険すぎるので手を出さないほどです。
この毒はかなり特異であり、神経科学などの実験分野では逆に、頻繁に研究対象として用いられています。
アマガサヘビは夜行性であり、昼間は岩の間や木々の隙間にある穴などにジッと潜んでいます。
夜間になると餌を求め活動的になりますが、無闇に噛み付く類のヘビではなく、基本的に危害がなければ滅多に人を襲うことはありません。
繁殖期などを除き、争うことはほとんどなく、温和で大人しい部類のヘビとなります。
ただこのアマガサヘビは生息域が幅広く人里にも多数生息しており、時には民家内まで侵入することさえあります。
室内で踏みつけたり、布団に入った際に「攻撃された」と勘違いし、噛み付く事故が最も多い様です。
英名では「Many banded krait」と表記します。
アマガサヘビの名前の由来は、ヒンディー語の「三角頭の蛇」を意味する言葉と言われています。
実際にはこの特徴は有していないので、他種の呼称が曲解されてアマガサヘビに当てはめられたと唱えられています。
また、ベトナム戦争時はその毒性の強さから噛まれたら2歩で命を落とすという意味合いを込め「ツーステップ・スネーク」と呼ばれていました。
「足があるヘビ」という通り名?はこの「ツーステップ・スネーク」が曲解された結果となります。
次は、アマガサヘビの生息地(分布)をお伝えします!
アマガサヘビの生息地(分布)はどこなの?日本や台湾にいるの?天敵はだれ?
アマガサヘビは中国南部・台湾・ベトナム北部・ミャンマー・ラオスなどの東アジアから東南アジアにかけて生息し、ごく稀にインド地方での目撃例もあります。
日本国内には生息していません。
アマガサヘビは標高1500m地帯まで目撃例があり、更には低地の湿地帯や人里近い民家まで進出し、かなりの広範囲に渡り分布しています。
その他、森林地帯や農地・汽水が混じるマングローブ林、小川や用水路沿いなど水場に隣接する部分にも好んで生息します。
そんなアマガサヘビの最大の天敵と言われているのはなんと「人間」です。
毒の強さから蛇を捕まえる人も二の足を踏むとは言われていますが、それでもアマガサヘビを捕まえるのは人間で生息地では漢方などに使われているようです。
研究対象としての捕獲も頻繁に行われており、本来の住処を開発事業などにより追われてしまうことも多々あります。
そして野生動物では哺乳類「マングース」がアマガサヘビの最大の脅威です。
食肉目に属するマングースは世界各地で毒蛇対策として人工導入された経緯があります。
国内では沖縄や小笠原諸島で既存の生態系を壊す生き物として、悪名を轟かせているほどです。
人を死に至らす毒にも抗体を持つ種も多くみられ、アマガサヘビとも生息地が重複する場合があり、果敢に立ち向かい捕食してしまいます。
次に、アマガサヘビの大きさと寿命をお伝えします!
アマガサヘビが成体になると最大でどれくらいの大きさ(全長)に成長する?寿命は?
アマガサヘビの成体は平均して全長約1~1.5mほどの大きさになりますが、大型の個体は1.8mを超える大きさになります。
2mにまでには達しないので、この全長1.8mの全長が最大値に近いと考えられます。
アマガサヘビの寿命は概ね9〜13年と推測されています。
ヘビの仲間は生きている間は終生体長が年齢に比例し育ち続けるので、2mを超えるにはやや寿命が足りません。
次は、アマガサヘビの致死率や致死量をお伝えします!
アマガサヘビの致死率や致死量はどれくらい?死亡者が出るの?
アマガサヘビはインドでは「ラッセルクサリヘビ」「カーペットバイパー」そして有名な「キングコブラ」と並ぶ、四大毒蛇に数えられいます。
その毒性はタンパク質に強く作用し、一度噛まれると、運動神経や全身の筋肉が全く機能しなくなります。
毒の回る速度は「ツーステップ・スネーク」の異名を持つほどで、噛まれても僅かな痛みであり、気付かない内に生命の危機に陥ります。
2018年には中国・陝西省渭南市華州区在住の飼育者が、ネット通販で購入したアマガサヘビに噛まれ昏睡状態に陥る事故が起こりました。
その後長期間に渡り昏睡状態が続いたそうで、安否の続報はありません。
毒の強さは日本に生息する毒蛇のマムシの180倍も強力であり、2~3mgと僅かな量で人を容易に殺傷できるのです。
アマガサヘビの攻撃性は決して高くなく凶暴性もありません。
現地では誤って踏んでしまい噛みつかれる事も多く、民家付近や家屋内にも侵入しベッド等に潜り込むので、不慮の事故が絶えないそうです。
次に、アマガサヘビの餌と量、与え方をお伝えします!
アマガサヘビの餌と量はどうする?どう餌やりすればいい?
アマガサヘビは色々な種類の生物を餌としてしています。
ネズミなどの小型哺乳類や同種の蛇を含む爬虫類、カエルなどの両生類やサカナなど、非常に幅広い食性を持ちます。
デグーやハムスター・カエルの仲間・果ては熱帯魚を並行して飼育する方は、念のため飼育部屋を分けた方がいいでしょう。
大前提ですが、逃げ出されること自体が特定動物の遵守事項に抵触する上、他人を殺傷するケースに繋がることを常に念頭に置いてください。
アマガサヘビの給餌のタイミングは夜行性種のアマガサヘビなので、夕方から夜間にかけてがベストです。
冷凍飼料に依存しますが、もちろん活き餌でも構いません。
具体的には自然の捕食対象にならい「冷凍マウス・ラット」「冷凍ヤモリ」「各種冷凍淡水魚」等を常温解凍し、厚手の革手袋幾重にも重ねた上で、慎重に大きなピンセット等で与えます。
生き餌はケージ内に放り込むだけなので、より安全ですが…そうそう頻繁に売られていません。
アマガサヘビにやる気がなければ、図らずもケージ内に同居してしまうこともあり、ヘビ自身に害をなす可能性もあるのでよく見極めてから与えてください。
アマガサヘビに限らずヘビの仲間はそうそう頻繁に捕食をしません。
長期の絶食にも絶えうるので、1週間にアダルトマウス1匹ほどを目安として与えましょう。
次は、アマガサヘビの繁殖の時期や産卵の時期をお伝えします!
アマガサヘビの繁殖の時期や産卵の時期はいつ?
アマガサヘビの繁殖時期は夏季で、一度に3~12個の卵を産む卵生種です。
産まれた卵は約1ヵ月程度で孵化し、子ヘビは既に約25cmほどの大きさを要しています。
野生のアマガサヘビは産卵後、雌のアマガサヘビがトグロを巻き卵を守ります。
この際に強いストレスを感じると、自身の産卵した卵を放棄し、食卵する可能性があります。
人の出入りの少ない静かな場所か、暗幕等をケージにかけ、ストレス緩和に努めてください。
また、小型ヘビも捕食対象とするアマガサヘビは、子ヘビ孵卵後は速やかにべつケージに親子を引き離しておきましょう。
次に、アマガサヘビの販売価格や値段をお伝えします!
アマガサヘビの販売価格や値段はどれくらいなの?
アマガサヘビは特定動物に指定されているため簡単には手に入らず、飼育方法や値段は明るみに出てきません。
飼育にこぎつけるまで数々の手続きや監査が行われるので、時間と経済力は必須事項です。
市販個体はほぼ皆無であり、アマガサヘビをどうしても手に入れたい方は、国際的な自己輸入…もしくは自己採集をする必要があるかも知れません。
この様にアマガサヘビは極めてレア種であり、動物商も危険を冒してまで手に入れるメリットがないのでしょう。
アマガサヘビ飼育は飼い主を選びます。
どうしてもアマガサヘビでなければダメという、時間と経済力が芳醇な飼育者でしか飼育できない類のヘビです。
飼育にこぎつけても、多くの金銭と時間をアマガサヘビに費やすことになるので、覚悟のある方にしかお勧めできません。
それでは最後に、アマガサヘビは料理にして食べられるのかをお伝えします!
アマガサヘビは料理にして食べられるの?
アマガサヘビは中国などでは蛇酒や蛇のスープとして食されています。
珍品に感じられますが、日本でいえばハブ酒のようなもので、漢方よりの滋養強壮のに食されているようです。
カンボジアでは路上店などで丸焼きにして売られているケースも見受けられます。
日本国内で料理にするのはかなり厳しいですが、旅先の市場などで見かけることがあるかも知れません。
それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!
アマガサヘビのまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは8個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①アマガサヘビの写真(画像)!特徴や性格は?足がある蛇と言われているの?英語名や名前の由来は?
黒と白の独特なツートンカラーを持ちウミヘビに酷似しています。
インド四大毒蛇に数えられ、その毒はタンパク質に作用し、一瞬で呼吸困難・心臓麻痺・筋肉の弛緩などをもたらします。
性質は極めて温和であり、余程のちょっかいを与えない限り、自ら攻撃することはありません。
過去のベトナム戦争でアマガサヘビの蛇害が多発し、その即効性の毒から「ツーステップ・スネーク」というスラングが派生し、足があるヘビという曲解が一人歩きしました。
実際には足の痕跡すら皆無です。
英語ではこの他に「Many banded krait」と呼ばれています。
名前の由来はヒンディー語の「三角頭のヘビ」に由来しますが、アマガサヘビは毒蛇特有の三角頭は持たないので、他種との齟齬が生じたのではないでしょうか。
②アマガサヘビの生息地(分布)はどこなの?日本や台湾にいるの?天敵はだれ?
中国南部・台湾・ベトナム北部・ミャンマー・ラオスなどの東アジアから東南アジアに生息します。
日本国内には生息しません。
天敵はマングースなどの肉食獣に始まり、人間の開発事業・食害などにも追われています。
③アマガサヘビが成体になると最大でどれくらいの大きさ(全長)に成長する?寿命は?
アマガサヘビは全長約1~1.5mほどで、大型の個体は1.8mに達します。
平均寿命は概ね9〜13年です。
④アマガサヘビの致死率や致死量はどれくらい?死亡者が出るの?
死亡事故が絶えない毒蛇です。
タンパク質に強く作用する毒を持ち、致死量はわずか2〜3mg、噛まれたことに気づかれないほど微細な傷でも容易に死に至ります。
死因は筋肉麻痺による呼吸困難が主で、インド四大毒蛇に数えられるほどであり、致死率がかなり高い毒蛇となります。
⑤アマガサヘビの餌と量はどうする?どう餌やりすればいい?
自然界ではネズミ・他のヘビや爬虫類・魚類・カエルなど多様な食性を持ちます。
餌やりは毒牙が達しないよう革手袋などを幾重にも重ね、なるべく長いピンセット等で給餌しましょう。
餌は冷凍マウス・ラット・カエルなどが主体となり、週に一度ほどの餌やりで構いません。
⑥アマガサヘビの繁殖の時期や産卵の時期はいつ?
夏季に3〜12個の卵を産みます。
⑦アマガサヘビの販売価格や値段はどれくらいなの?
取り扱うショップ・爬虫類専門店は皆無であり、国内販売価格の具体例は容易に見つける事ができません。
特定動物ということを加味し、個人輸入や現地のブローカーからの購入が最適手段でしょう。
時間や経済力を費やす、かなりハードルの高いヘビとなります。
⑧アマガサヘビは料理にして食べられるの?
中国では滋養強壮の漢方や酒漬けにしてヘビ酒として口にする事が可能です。
カンボジアでは屋台で串焼きにしている例もあり、生息地へ旅する機会があれば別の形で食材化されているかもしれません。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
大変興味深い情報のご提供、ありがとうございます。
私は蛇年生まれのインド南部在住日本人です。
最大の疑問が「なんで雨傘蛇と呼ばれるの?」です。
アマガサヘビと名付けられた由来を調べていますがどうも的確な回答を得られずじまいです。
この疑問、というか由来についてご存知であればご教示いただきたく存じます。