みなさんこんにちは。
本日は、ホオアカドロガメの生態についてまとめていきたいと思います。
ホオアカドロガメは飼育下でもさほど大きくならないことから、人気の高いカメです。
日本の夏場などに耐え得る頑健な種類のドロガメであり、そのサイズや買いやすさから、古くからドロガメ入門種として人気のあるカメとなります。
今回は、ホオアカドロガメについてのポイント、
以上6個の点についてお伝えします。
それでは、ホオアカドロガメの写真(画像)を見ていきましょう!
目次(クリックで飛べます)
ホオアカドロガメの写真(画像)!特徴や性格は?冬眠するの?
写真がホオアカドロガメの成体です。
ホオアカドロガメの最大の特徴は、名前の通り頭部の頬部分に赤みが入ることです。
この赤みは個体ごとに大きく差があり、稀にその甲羅も含めて全身真っ赤…という様な、強烈なインパクトを持つ個体も輸入されます。
孵化直後の幼体や年老いた個体には、この赤みは余り見ることができません。
ホオアカドロガメはかなりの平和主義者であり、大人しく喧嘩もほとんどしない優良種です。
あまりにサイズの違う個体や他のドロガメ属の仲間との混泳は、ホオアカドロガメがいじめられたり、小さな個体が食べられてしまうこともあるので注意しましょう。
ホオアカドロガメの甲羅はなだらかなドーム状になり、凹凸のあるキールは一切入りません。
上から見ても、横から見てもほぼ半球系の形をしており、腹甲と背甲の接続部分には「鋸歯状」の突起部分も持ち合わせません。
その代わり頭部と四肢を完全に甲羅内に収納でき、外敵に襲われた際には、まるでハコガメの仲間の様な完全な防御が可能です。
ホオアカドロガメは同じドロガメの「サソリドロガメの亜種」という説と、完全独立種という説があり、分類学上は未だあやふやなままです。
本種は主に中南米に多く生息しており、熱帯・亜熱帯性の気候がほとんどなので、冬眠は行いません。
寧ろ冬眠とは反対に、乾季になり水が干上がると湖泥などの内部に深く潜り、雨季を待つ「夏眠」を行います。
おそらく飼育個体で冬場動きが鈍る様でしたら、それは冬眠ではなく適正水温下で飼育していないからです。
冬場に加温をせず、冬眠のような形態に入る熱帯性動物は多く存在しますが、この状態は死にかけであり非常に危険です。
即座にヒーター等を用いた適正水温の環境下に移動してあげましょう。
次に、ホオアカドロガメの生息地(分布)についてお伝えします。
ホオアカドロガメの生息地(分布)はどこなの?
ホオアカドロガメの幼体です。
ホオアカドロガメは中南米各国に生息しています。
主な生息国はメキシコ南部・ホンジュラス・ニカラグア・エルサルバドルとなります。
ホオアカドロガメは繁殖以外はほぼ完全な水棲種であり、流れの極めて緩やかな小川・沼や池・湖と広範囲に生息します。
水底が細かい砂利状や粘土質の形状を最も好み、中には水面に浮かびながら日光浴をする個体群さえ確認されています。
2022年現在、生息国は日本外務省の渡米危険地域に指定されている部分が多く、国内政治の不安定さなどから「野生種」の輸入はほぼストップしています。
次に、ホオアカドロガメが成体になると最大でどれくらいの大きさに成長するか等についてお伝えします。
ホオアカドロガメが成体になると最大でどれくらいの大きさ(サイズ)に成長する?寿命は?
ホオアカドロガメの飼育下成体は甲長約15cmほどで、概ねその成長が止まる傾向があります。
カメの仲間としてはかなり小型の部類に入ります。
野生個体は甲長約20cmまで成長すると言われており、最大サイズもごく稀に22〜23cmほどの個体が入荷されます。
本種は際立った大きさの変化があまりないので、最大サイズは約23cmほどと言えるでしょう。
ホオアカドロガメは、オスの方が僅かですが大きく育ちます。
ホオアカドロガメの寿命ですが、小柄なカメにも関わらず、30〜50年と長寿になります。
50才まで生きる個体は稀ですが、きちんと飼育記録も残されているので、こちらが最長記録になります。
それでは次に、ホオアカドロガメの飼育(飼い方)方法についてお伝えします。
ホオアカドロガメのベビーからの飼育(飼い方)方法は?飼育環境はどうする?飼育ケージの選び方も!
ホオアカドロガメは終生60cm水槽で飼育可能です。
45cm水槽でも飼育可能という文献も見かけましたが、運動不足やストレス解消には、それ以上の広さを用意した方がベストです。
もちろん60cm以上の水槽を用意できたら、そちらを使用することをお勧めします。
水深はベビー・アダルト問わず、それほど深さは必要としません。
ちょうど背伸びをし、十分水面で呼吸できるくらいの水深で構わないでしょう。
若しくは水槽の70%が水場、30%が陸地といった様な飼育も有効です。
ホオアカドロガメのベビー飼育ですが、1日2回10分程度で食べきれる「雑食性爬虫類用(カメ用)フード」を与えます。
最近は「雑食性爬虫類用(カメ用)のベビーフード」もちらほら見かける様になったので、そちらを使うのも良いでしょう。
与える餌には予め「ビタミン・カルシウムパウダー」をメーカー規定料分、必ず振りかけます。
子亀の頃の栄養状態が後々成長していくにつれ、成体の健康につながるので、この時期にしっかりとした給餌・身体づくりを心がけてください。
成長するにつれ給餌回数は減らし、成体に育ったら日に一度ほどの給餌量にとどめます。
一月に4〜5回ほどで良いので、人工飼料だけでなく、活エビ・アカムシ・ミミズ・魚類なども与えましょう。
非常に丈夫なカメであり室内飼育では日本の夏場も乗り切れますが、冬場は必ず「パネルヒーター」や「暖突」「エアコン」などで27℃に保ってください。
より自然味を出すためホオアカドロガメの床材に砂利などを敷く飼育者もいますが、結構な確率で誤嚥のケースが見られます。
そして食事や排泄物等ですぐに水を汚すので、水質維持は「全換水」に依存します。
手間と労力を考慮すれば、何も敷かない「ベアタンク」での飼育が、ホオアカドロガメにとっては最適でしょう。
ホオアカドロガメのベビー・アダルト個体に共通するのは「バスキングライト」と「紫外線灯」の設置です。
これを怠ると変温動物の彼らは自身の体温を調節できず、死に至ります。
そのためバスキングライト付近の温度は33〜35℃程度にし、なるべく広めのバスキングスポットを作り、ホオアカドロガメが自分で好適温度を選択できる様にします。
紫外線灯は甲羅や骨形成に不可欠であり、バスキングライトと並行し、朝から夕にかけ約12時間は照射しましょう。
夜間に照射する必要はありません。
これを怠ると「骨形成不全」や「甲羅の未発達」に繋がる「クル病」という病にかかり、呆気なく死んでしまいます。
次に、ホオアカドロガメの餌と量はどうするかについてお伝えします。
ホオアカドロガメの餌と量はどうする?どう餌やりすればいい?
ホオアカドロガメのベビー個体は一日最低2回、10分ほどで食べ切れる量を甘えます。
餌は「雑食性カメ用のベビーフード」があれば良いのですが、なければ成体用のものをよくふやかして与えます。
ベビー→若齢個体→成体になるにつれ代謝が落ちるので、その給餌量は徐々に1日1回ほどに減らしていきます。
餌をねだられるとついつい与えたくなるでしょうが、自然界の広大な湖沼・池・河川と比較し、飼育下は運動スペースが明らかに足りません。
脂肪が過度に溜まる肥満体になりやすいので「グッ」と堪えてください。
ビタミン・カルシウム剤パウダーは頑健な体づくりのため必須なので、与える餌にメーカー規定料分を振りかけてください。
ホオアカドロガメは自然下では肉食性の強い雑食性であり果実や野菜を食べることもあります。
時々刺激物(ネギや玉ねぎなど)を含む野菜を避け、キャベツ・レタスなどのアクのない葉野菜やバナナなどもバランスよく試してみるのもいいでしょう。
最後に、ホオアカドロガメの販売価格についてお伝えします。
ホオアカドロガメの販売価格や値段はどれくらいなの?
ホオアカドロガメは現時点でかなり流通量が減っているカメです。
様々な理由が挙げられますが、まずは生息国の治安悪化により、従来の輸入ルートが完全に閉ざされてしまっています。
人工繁殖においてもホオアカドロガメは一度に2〜4の卵しか産まず、繁殖率がかなり低いことも要因の一つです。
そのため「販売個体数の減少」や「野生個体の入荷が絶望的」となり、販売額が右肩上がりになっています。
価格は取り扱うお店によりますが、ほぼ爬虫類専門店でしかみることができません。
赤みが強い個体は高額になるので価格にかなり幅があるのですが、地味な個体で15,000円以上…赤みの強さにより20,000〜30,000円というのが現在の相場です。
それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!
ホオアカドロガメのまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは6個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①ホオアカドロガメの写真(画像)!特徴や性格は?冬眠するの?
その名の通り頭部の頬中心に顕著に赤みがかります。
性格は温和であり同サイズのカメとならば混泳可能です。
熱帯地方のカメなので冬眠という概念はなく、逆に乾季になると泥内に潜り「夏眠」を行います。
②ホオアカドロガメの生息地(分布)はどこなの?
メキシコ南部・ホンジュラス・ニカラグア・エルサルバドルなど中米から南米大陸にかけ生息します。
野生界では、流れの緩やかな河川、湖沼や池などを好み、更に細かな砂や泥状の底砂地域にその分布は集中します。
③ホオアカドロガメが成体になると最大でどれくらいの大きさ(サイズ)に成長する?寿命は?
飼育下ではほぼ15cmで成長が止まります。
野生個体では過去、23cmのホオアカドロガメが見つかり、これが最大値として知られています。
大きさに比べて寿命は長く、大切に飼えば30〜50年も生き続けるカメです。
④ホオアカドロガメのベビーからの飼育(飼い方)方法は?飼育環境はどうする?飼育ケージの選び方も!
肉食傾向の強い雑食性のカメです。
主食は「市販の雑食性のカメ用フード」にビタミン・カルシウムパウダーをまぶして与えましょう。
ベビーもこれに習いますが、一日に与える回数を倍にし、10分ほどで食べ切れる量を目安にします。
飼育下では甲長15cmほどにしか育たないので、成体の飼育ケージは60cm水槽から使用することができます。
紫外線灯・バスキングライトは朝〜夕にかけ、約12時間は照射しましょう。
体を完全に乾かせる「バスキングスポット」をバスキングライト直下に作り、自分で最適温度を探せる様にします。
⑤ホオアカドロガメの餌と量はどうする?どう餌やりすればいい?
完全な成体で1日1回ほど、孵化直後の個体は1日2回ほど、10分ほどで食べ切れる量を目安に与えましょう。
成長につれ代謝が落ちるので、年齢を経るにつれ粗食にしてあげてください。
欲しがるだけ与えると脂肪肝などの内臓疾患により、死亡率が上がってしまいます。
肉食傾向の強い雑食性を持つので、葉野菜・バナナ等の果実も与えてみるといいでしょう。
基本食は「雑食性爬虫類用フード」が各社から市販されていますので、それらを常食にしてください。
月に数度、活き餌を与えると喜んでくれる上に、栄養バランス的にも申し分ありません。
⑥ホオアカドロガメの販売価格や値段はどれくらいなの?
現在、分布国の政局が不安定であり、野生個体の輸入はほとんど見かけません。
また一度の産卵で2〜4個しか卵を産まないので、繁殖個体の流通もかなり減っています。
ホオアカドロガメはその赤みの発色により、値段が大きく変化します。
一般的な個体で約15,000円ほど、赤みが増すにつれ20,000〜30,000円と徐々に値段が上がります。
今後の価格高騰があり得るかもしれません。
飼育を始めたい方は見かけ次第購入することをお勧めします。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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