みなさんこんにちは。
本日は、アカハライモリの生態についてまとめていきたいと思います。
日本人には馴染みの深いこのイモリ。
地域によっては「アカハラ」などという俗称もあるほどです。
しかし近年、野生個体は農薬や水質汚染の影響で徐々にですが姿を消す地方もあるそうです。
今回は、アカハライモリについてのポイント、
以上9個の点についてお伝えします。
それでは、アカハライモリの写真(画像)を見ていきましょう!
目次(クリックで飛べます)
アカハライモリの写真(画像)!特徴や性格は?なつくの?毒性はある?夜行性なの?
上の写真がアカハライモリです。
その特徴は皆さんお馴染みの「赤いお腹」でしょう。
アカハライモリの代名詞と言っても良いこのお腹の色は、警戒色なのではないかという説もあります。
というのもアカハライモリには、致死量に至らないほど微量ですが、かの有名なフグ毒「テトラドトキシン」が含まれているからです。
相当に微量なので人間に対し害はありませんが、触れた後は必ず手を洗いましょう。
そのため成体が捕食されることは滅多にありません。
古くから里山等で日本人になじみの深いアカハライモリは、天気予報のバロメーターに使われることもあります。
アカハライモリは湿度に敏感で陸に上がると大抵その後降雨が起きるのです。
昔の日本人は「アカハラがあぜにいるともうじき雨が降る」と、天候の指標に使っていたそうです。
そしてアカハライモリは完全な「日本固有種」です。
学術的な分野では、ノーベル賞を受賞した京都大学の山中教授の分野「再生医学」で実験動物として多用されています。
アカハライモリは四肢・尾・そして眼球さえも再生可能です。
トカゲ等の爬虫類も尾を自切し再生尾を作りますが、アカハライモリは内部の骨格まで完全再生してしまいます。
この様に骨格まで再生できる脊椎動物はごくわずかです。
ただし再生部位は高確率で癌化するなど、そのメカニズムの解明のためにアカハライモリは医学の分野にまで一役かっているという訳ですね。
アカハライモリはかなり穏やかな性格であり、複数飼育でもトラブルを起こしません。
人間の体温はアカハライモリにとってかなりの高温なので直接の触れ合いはあまりできませんが、餌やりの際の物音を聞くとせわしなく動き、餌をねだるようになります。
良く飼い込まれた個体は全く人を恐れないので、愛玩動物に限りなく近い形で飼育できるイモリと言えるでしょう。
毒については前述のようにフグ毒「テトラドトキシン」を体内に含有します。
アカハライモリは主に日中に活動する昼行性の生き物です。
ただ繁殖期や、その真っ黒な背中の色から夜行性と誤解されていることが多いようですね。
次は、アカハライモリの生息地(分布)はどこなのかについてお伝えします!
アカハライモリの生息地(分布)はどこなの?絶滅危惧種なの?天敵はだれ?
写真は野生下のアカハライモリです。
このようにアカハライモリは農薬を使わない綺麗な水田・棚田や池・沼など水の流れが乏しい場所を好みます。
全国の生息地は北海道・伊豆諸島・沖縄県・奄美諸島を除く本土全域です。
沖縄・奄美諸島にはイボイモリ・シリケンイモリ・アマミシリケンイモリが代わりに生息しています。
近年は本来生息地ではない北海道・伊豆諸島などに人為的に移入されてしまい、生態系のバランスを狂わせることが懸念されます。
アカハライモリは非常に地域変異差が多く、同種だからと言って無暗に野外に放逐していいわけではありません。
明確な亜種とは認定されていませんが、各県の地域群ごとに保護施策を取る自治体もあり、他地域との交雑による地域純血種の消失(絶滅)が危惧されています。
環境省レッドデータブックにおいては「絶滅危惧」の一つ下のNTにカテゴライズされ、絶滅の低危険種とされているのが現状です。
アカハライモリの最大の天敵は人間です。
常識のないショップによる乱獲や、高度経済成長期における農薬散布の生物濃縮でかなりの数が激減しました。
自然下においてはその警戒色と有毒種ということからあまり成体は捕食されませんが、幼生の内は魚類・爬虫類・カエル等の両生類・タガメなどの水生昆虫の格好の餌となってしまいます。
次に、アカハライモリが成体になると最大でどれくらいの大きさに成長するのかと寿命についてお伝えします!
アカハライモリが成体になると最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?
アカハライモリは最大でも12~13cmほどです。
小型ですが口が大きく食欲旺盛なので、古くからペットとして人気があります。
寿命はかなりの長寿を誇り、最大で20年は生存します。
大切に飼えば親子2世代でも飼える生き物なんです。
それでは、アカハライモリの飼育(飼い方)方法についてお伝えします!
アカハライモリはペットにおすすめ?飼育(飼い方)方法は?冬眠するの?水槽(飼育ケース)の選び方も!
既出ですがアカハライモリはペットにとても最適です。
日本の気候に完全対応しているので、極端な直射日光や水分が氷結する場所にケージを置かない限り、ありあわせの設備で飼育可能です。
アカハライモリは意外にも頻繁に陸に上がります。
そのためケージの半分は砂利などでスロープ状に陸地を作り、もう半分は水場にすると良いでしょう。
ハッキリ言うとこの環境で経験上長期飼育が可能でした。
これでは味気ないという方は適宜流木や岩・ウィローモス等の苔で装飾するとなお映えることでしょう。
有尾類の鉄則として「フタ」は必ずしてください。
これを怠るとアカハライモリは100%脱走します。
脱走の行き着く先は乾燥死です。
アカハライモリは寒くなると陸地に上がり冬眠します。
ただ他の動物と違いアカハライモリは単に代謝が落ち、動きが鈍るだけです。
飼育ケースですが蓋さえ完備できれば、飼育者の好みで何でも流用可能です。
水槽はもちろん、衣装ケース・カブトムシ用のプラケース・プラ船など多岐に渡るでしょう。
次は、アカハライモリの餌と量はどうするのかについてお伝えします!
アカハライモリの餌と量はどうする?どう餌やりすればいい?人口餌を与えてもいいの?餌を食べない時はどうする?
アカハライモリもまた完全な肉食性です。
成体はかなり粗食です。
一週間に2~3度の給餌で全く問題はありません。
野外ではオタマジャクシ・水生昆虫の幼虫・ミミズ・ミジンコ等動きが認識できるものは何にでも食らいつきます。
飼育下ではレプトミンやキャットフードを口元で小刻みに震わせると容易に食らいつくでしょう。
アカハライモリは活餌・冷凍飼料も好みます。
活餌に関しては在来種なので自家採集が一番コストパフォーマンスが良いでしょう。
ミミズやオタマジャクシは最も好む餌です。
冷凍赤虫などの人工飼料にも容易に食らいつくので、給餌面での心配はほぼありません。
満腹になると食いつくスピードが落ちるので、アカハライモリの様子を見てほどほどで切り上げましょう。
給餌頻度は春~夏にかけては週に2~3回、冬場は週1回ほどで事足ります。
ただしアカハライモリが冬眠に入る秋先は、たくさん餌を与えて太らせましょう。
冬眠にはかなりのエネルギーが必要です。
またアカハライモリは痩せやすく太りにくいので、健康的な体系を維持するようにしましょう。
餌を食べない場合はほとんどありませんが、活餌…特にオタマジャクシが有効です。
他には臭いが強い冷凍赤虫も食欲を復活させる可能性があります。
それでも拒食を続ける場合は飼育環境を一度リセットし、単独飼育で構築し直します。
というのも複数飼育の場合、アカハライモリ同士の毒で弱ったり、いじめが起きている可能性があるからです。
大抵の場合はこの対処方法が有効なので、是非試してください。
続いては、アカハライモリの性別雌雄(メスオス)の見分け方についてお伝えします!
アカハライモリの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?
アカハライモリの雌雄差は慣れないとかなり見分けづらいです。
ただ成体はメスの方が大きくがっしりとし、オスは若干線が細くなります。
またアカハライモリの尾をよく見て下さい。
一本線状にまっすぐ伸びているのがたいていオスで、丸みがありオール状に近いボリュームがあるのがメスです。
確実な方法は後脚の間の総排泄孔による識別となります。
オスの総排泄孔は丸く膨らみますが、メスの総排泄孔は平坦です。
更にアカハライモリの身体に向かい左右に総排泄孔を開き観察すると確実で、|と真っ直ぐな切れ込みが入るのは大抵がオス、○の形状を取る個体はほぼメスで確定でしょう。
次に、アカハライモリがかかりうる病気についてお伝えします!
アカハライモリがかかりうる病気は?対策方法も!ツボカビ病や皮膚病や風船病に注意?
イモリに限らず体表を粘膜でしか保護できない両生類にとって、一番罹患しやすい病気が皮膚病です。
その他に表題にある風船病が挙がります。
これはイモリ類が新規環境に移動される際起こりやすい病気で、細菌・ウィルス性とも言われ、古くから問題視されています。
ツボカビ病は正式名称「カエルツボカビ病」と呼び、両生類特有の感染症です。
この病気にかかると治療法はなく、100%の確率で死亡することから2010年代に大問題となりました。
それぞれの病気ですが、皮膚疾患はまず飼育水に一つまみの塩を入れ経過観察してください。
それでも改善の余地がなければ、魚病薬であるメチレンブルーなどを規定の何十倍にも希釈し、ごく薄く塗布してみましょう。
アカハライモリだけでなく両生類は基本、薬に敏感なのでこれはかなりの最終手段と位置づけてください。
次に風船病ですが、これは湿ったキッチンペーパーなどを敷き詰めた清潔な個室に隔離し、自己治癒に任せます。
というのも、水場内でひっくり返ってしまうと呼吸ができなくなり死んでしまうからです。
この病気はとにかく清潔な環境にアカハライモリを置き、個体の治癒能力に掛けましょう。
カエルツボカビ病はお話した様に不治の病です。
アカハライモリに発症が見られ死亡したら、可愛そうですが埋めたりはせず消毒し火葬するか…ゴミとして処理するしかありません。
下手をすると近隣の両生類が全滅しかねないからです。
飼育ケージ・道具も滅菌し袋で二重三重に密閉して処理しましょう。
飼育水は一度沸騰させ、下水に流す必要があります。
この様にカエルツボカビ病は現状収束はしていますが、人間が直面しているコロナウィルスと同等の厄介さを持ちます。
それでは次は、アカハライモリの繁殖の時期や産卵の時期はいつなのかと繁殖の方法についてお伝えします!
アカハライモリの繁殖の時期や産卵の時期はいつ?繁殖の方法は?
アカハライモリの産卵期は初春、3~5月にかけてです。
繁殖はかなり容易で、雌雄を用意でき充分成熟していればすぐにオスがメスに対し求愛行動を取ります。
アカハライモリの求愛行動はメスの鼻先にオスがCの字に頭部と尾を近づけ、尾を小刻みに震わせます。
この際オスは紫色の激しい婚姻色が出るので見た目からも繁殖可能かどうか特定できます。
アカハライモリのオスの求愛が上手く行くと、オスは精子の詰まった「精嚢」をメスの前に落とします。
メスは総排泄孔から精嚢を取り込み体内受精するのです。
これらの行動が確認できたら産卵床である水草を大量に入れてあげましょう。
アカハライモリの産卵に一番適した水草は「カボンバ」です。
安価でどこにでも売っています。
メスは葉でくるむ様に一つづつ丁寧に40個ほどの卵を数回に渡って産みつけます。
孵化した幼生は沸かしたブラインシュリンプを与えると死亡率がぐんと落ちます。
上陸後の若齢個体は小型ですが、冷凍赤虫などをピンセットで丁寧に与えるとすくすくと育つことでしょう。
最後に、アカハライモリの販売価格や値段はどれくらいなのかと飼育セットは販売されているのかについてお伝えします!
アカハライモリの販売価格や値段はどれくらいなの?飼育セットは販売されているの?
アカハライモリの販売価格は300~500円ほどです。
最近は業者が生息地でごっそりと採取し、粗悪にストックされていることがあります。
その様なお店での購入はトラブルの元なので控えてください。
飼育セットはある事にはありますが、自前で用意した方が確実に効率が良く安価です。
アカハライモリの飼育セットを覗いたことがありますが、明らかに使わない照明器具などが同梱されていました。
在庫処理の可能性も大きく、少し勉強すれば必要なものは一目瞭然なので、自己判断での個別購入を個人的にはお勧めします!
それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!
アカハライモリのまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは9個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①アカハライモリの写真(画像)!特徴や性格は?なつくの?毒性はある?夜行性なの?
赤いお腹は警戒色でテトラドトキシンという毒を持つ有毒種です。
かなり人懐っこく、環境にもすぐに慣れます。
一部の例外を除き基本は昼行性です。
②アカハライモリの生息地(分布)はどこなの?絶滅危惧種なの?天敵はだれ?
日本の固有種で北海道・伊豆諸島・奄美諸島・沖縄県を除く全国各地に生息します。
環境省レッドデータブックにおいて絶滅の低危険種であるNTに位置づけられています。
天敵はほぼいませんが、敢えて言うならば最大の天敵は人間です。
③アカハライモリが成体になると最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?
10cmを少し超えるくらいが最大サイズです。
寿命は何と20年です。
④アカハライモリはペットにおすすめ?飼育(飼い方)方法は?冬眠するの?水槽(飼育ケース)の選び方も!
野生個体もすぐ餌付くのでイモリ入門種・ペットとして最適です。
冬場は代謝が落ち、陸地でジッとしています。
飼育ケースは蓋さえあれば殆んどのものが流用可能です。
⑤アカハライモリの餌と量はどうする?どう餌やりすればいい?人口餌を与えてもいいの?餌を食べない時はどうする?
成体は一週間に2~3回、食べるスピードが落ちるまで与えましょう。
季節により変動し、基本的には粗食なので冬眠前以外は給餌はほどほどにします。
人口餌も問題なく食べるでしょう。
拒食の際は環境を見直し、食欲が湧くように活餌を与えてください。
⑥アカハライモリの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?
尾が細いのがオス、太くパドル上になるのがメスです。
また総排泄孔の隆起や内部の形状で判別できます。
⑦アカハライモリがかかりうる病気は?対策方法も!ツボカビ病や皮膚病や風船病に注意?
病気には滅多にかかりませんが、薬剤に弱いので最終手段・自己責任で用いましょう。
基本的には清潔な環境で個体の生命力に掛けるしかありません。
ツボカビ病は両生類は100%致死に至るので、後処理が要となります。
⑧アカハライモリの繁殖の時期や産卵の時期はいつ?繁殖の方法は?
初春ごろの3~5月です。
約100個ほどの卵を数回に分け産卵します。
産卵床はカボンバが一番適しています
⑨アカハライモリの販売価格や値段はどれくらいなの?飼育セットは販売されているの?
300~500円の間と見て下さい。
飼育セットはありますが、ご自身で揃えた方が効率的で安くすみます。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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