【アシナシイモリの生態!】飼育方法や販売価格等7個のポイント!

 

みなさんこんにちは。

本日は、アシナシイモリの生態についてまとめていきたいと思います。

 

両生類はカエルの仲間の無尾類、イモリ・サンショウウオなどの有尾類、そしてアシナシイモリの仲間の「無足類」で構成されます。

そのかなり変わった生態は必見ものですよ!

 

今回は、アシナシイモリについてのポイント、

①アシナシイモリの写真(画像)!特徴や性格は?呼吸の仕方は?英語でなんていうの?
②アシナシイモリの生息地(分布)はどこなの?日本にはいる?フロリダやアマゾン川にいるの?
③アシナシイモリが成体になると全長は最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?
④アシナシイモリの飼育(飼い方)方法は?温度設定はどうする?どう餌やりすればいい?
⑤アシナシイモリの繁殖の時期や産卵の時期はいつ?
⑥アシナシイモリの販売価格や値段はどれくらいなの?
⑦アシナシイモリとヘビやミミズとの違いはなに?

 

以上7個の点についてお伝えします。

それでは、アシナシイモリの写真(画像)を見ていきましょう!

 

アシナシイモリの写真(画像)!特徴や性格は?呼吸の仕方は?英語でなんていうの?

 

 

上記写真がアシナシイモリです。

正確には「コータオヌメアシナシイモリ」といい、国内で最もお目にかかりやすいアシナシイモリとなります。

 

アシナシイモリの特徴は一目で分かるその外観です。

 

同じ両生類である「アンヒューマ」「サイレン」等は、申し訳程度に四肢があった痕跡が確認できます。

しかしアシナシイモリには四肢の痕跡は一切ありません。

まるでミミズのように体節を逡巡させ、這い回るように移動します。

 

アシナシイモリは「ミズアシナシイモリ」などの例外を除き、そのほとんどが陸生です。

普段は土壌に潜り生活しています。

そのため分類分けが進まず、未確認種もかなり存在すると予想されているんです。

現在確認されている種類でも約200種類にも及びます。

 

水生・陸生問わずアシナシイモリの体表はかなり粘つく粘膜に常に覆われています。

肺を持たない種類も多く、ガス交換は口腔内と体表に依存するのでこのような粘膜が必要なんですね。

 

繁殖形態も謎が多く、25%ほどが卵生であり産卵した卵が孵化するまでとぐろを巻く様に保護することが知られています。

残りは卵胎生…つまり幼生、あるいはメスの体内で外鰓を消出した幼体の形で出産します。

驚くべきことにアシナシイモリのメスは、孵化した子供に自分の表皮を与える育児までも行います。

卵胎生種は親の卵管などを栄養分とし摂取するんです!

メスが弱らないか?死なないか?と思いますよね?

ところがこの時期のメスは脂肪や肉が異常につき、尚且つ幼生・幼体たちは親を死に至らしめるほどの歯はもちません。

さながら乳歯といったところなんですね。

 

そしてアシナシイモリには鼓膜がなく、人間でいう骨伝導のような形で物音を拾います。

そのため、かなり低い音か連続した音でないと、音を拾うことができません。

 

この弱点を克服するのが一対の「触覚」です。

この触覚で触れたものの臭いを「ヤコブソン器官」という、特別な器官に送り臭いをかぎ分けます。

 

アシナシイモリの特徴については2021年になっても、リアルタイムで新情報を耳にするほどです。

 

既に述べてしまいましたが、口腔内・体表・かなり退化した肺の3通りを駆使し呼吸を行います。

 

この様に述べるとアシナシイモリは「陰性」が強いと思われがちですが、飼育下では実に意外な姿を見せてくれます。

例えばちょっとした振動でも(飼い主の足音など)土中から顔を覗かせたり、餌やりやメンテナンスの際は何と!飼い主の手や腕に頭を置いたり絡み付いてきたりもするんです。

両生類としては例外中の例外で懐くこともあるんですよ!

 

ただ全ての種が懐くとは限りません。

そして軽微ですが有毒種もいるので、その辺りの線引きは常に頭に入れておきましょう。

 

このアシナシイモリ…英語では「Caecilian」(盲目の物)と呼ばれます。

両目が皮膚科に埋没しているので、このように呼ばれるようになったのでしょう。

 

ヘビなどと違い総排泄孔は必ず身体の末端に持ちます。

生殖器も身体の末端に持つので、尾部は存在しないんです。

 

次は、アシナシイモリの生息地(分布)はどこなのかについてお伝えします。

 

アシナシイモリの生息地(分布)はどこなの?日本にはいる?フロリダやアマゾン川にいるの?

 

アシナシイモリは東から「東南アジア諸国」「インド」「アフリカ大陸中央部付近」「中南米」に生息しています。

アフリカ大陸のマダガスカル諸島には何故か存在しません。

世界地図で見るとよく分かるのですが、ほぼ赤道直下を中心に分布します。

 

残念ながら北アメリカ大陸での発見報告は現状ありません。

そのためフロリダ州にいる可能性は、報告の限りではありません。

仮に見つかったとしても、人為的放逐の可能性が高いですね…

 

アマゾン川などには流れの緩やかな小川のような流域・水たまりのようなところなど、各所で見られるようです。

30年ほど前は「ラバー・イール(ゴムうなぎ)」といった名で、アマゾンからの輸入便に紛れた「ミズアシナシイモリ」がよく熱帯魚店で販売されていました。

 

次に、アシナシイモリが成体になると全長は最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?についてお伝えします。

 

アシナシイモリが成体になると全長は最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?

 

アシナシイモリの成体の全長は10数㎝ほどの極小種から約1mに及ぶ巨大種まで、バラエティに富みます。

 

まだまだ未開のアシナシイモリですが、現状報告されている最大全長は1.5m越えの個体です。

この個体は2015年にカンボジア・カルダモン山脈付近で発見された新種で、地元では長い間ヘビの仲間と誤認されていたそうです。

ただほとんどの種が成長しても30cm前後でしょう。

 

寿命なのですがこれも小型種・中型種・大型種で差が空くと推測されます。

 

屋外追跡調査や、飼育例が少ない動物なので寿命については諸説あります。

ヒラオミズアシナシイモリという最大全長40cm・水生のアシナシイモリの「飼育下で5年」という記録があります。

水生・陸生や各々の食性・繁殖形態などにも左右されそうですが、熱帯域に住み代謝も良いことから、イモリなどの有尾類ほど長寿ではないと推測されます。

このヒラオミズアシナシイモリのデータが参考になるのではないでしょうか?

 

それでは、アシナシイモリの飼育(飼い方)方法についてお伝えします。

 

アシナシイモリの飼育(飼い方)方法は?温度設定はどうする?どう餌やりすればいい?

 

アシナシイモリについては飼育する前に、探し出すという作業に骨が折れるでしょう。

 

数ある両生類でもかなりニッチな生き物で、ハッキリ言うとペットとしての認知度と人気があまりに低いのです。

ここでは比較的入荷されやすい「コータオヌメアシナシイモリ(陸生)」「ミズアシナシイモリ(水生)」の2種類を取り上げ、その飼育方法についてご説明します。

 

まず完全に熱帯域の生き物ですので加温は必要不可欠です。

22~30℃ほどを保ちましょう。

 

水生種は熱帯魚飼育同様、完全なアクアリウムで飼育可能なので設備投資はさほどかかりません。

気を付けたいのは「脱走」「巻き付き」「単独飼育」です。

 

水生種は熱帯魚等と同居させてちょっかいを出されると、凄まじい量の粘液を出すことがあります。

この粘液は有毒とも言われますが、例え無毒でも混泳魚の自由を奪い死に至らしめるでしょう。

同種間でも事故はゼロとは断言できませんので、単独飼育がベストだと思います。

 

現地では流されないように、流木や水草にその身を固定・巻き付ける性質も持ちます。

そのためヒーターなどには必ずカバーをかけましょう。

この点は意外とどんくさい生き物なんです。

 

そしてこの体型の動物に多いのが脱走です。

陸生種・水生種ともにこれは共通し、思わぬ隙間から逃げ出し、しばらくして干物を見つけるという悲しい出来事になり兼ねません。

隙間という隙間は徹底的に塞ぎましょう。

 

次に陸生種ですが、ハッキリ言うと「土を飼っている」と揶揄されるほど姿を見せません。

 

敷き土は腐葉土などで構いません。

デリケートな体表を傷つけ感染症等を引き起こすので、細かな湿った土が一番です。

どうしても気になる方は電子レンジなどで完全滅菌しましょう。

 

温度ですが幸いにも「もぐリッチ」「暖突」のような、陸生アシナシイモリ専用といってさえいいような爬虫類用保温器具が市販されています。

これらを使用する場合は必ず「爬虫類用サーモスタット」を用意して下さい。

高温過ぎるのもアシナシイモリにとっては命取りとなります。

 

思い切って冬場はエアコンを使うのもありかも知れません。

 

「脱走」についてはお話しましたが、できれば陸生種も単独飼育の方が良いでしょう。

というのも、複数飼育していると昨日まで元気だった個体が突然死するケースを耳にするからです。

野性下では密集して生息するということはまずありません。

繁殖を狙うなど、ごく特殊なケースを除き単独飼育がベストです。

 

水生種のメンテナンスですが、こちらは非常に簡単です。

塩素中和させた水道水を週に最低1/3は水替えし、排泄物等はホースや網等で取り除きます。

ほぼ熱帯魚飼育に準拠するでしょう。

 

陸生種は月に1~2回は土を総交換します。

あまりに土が古くなると排泄物を分解できなくなり、病気の要因になる雑菌等も増殖してしまいます。

 

餌についてですが、アシナシイモリは「完全肉食性」です。

現地では極めて動きの遅い生き物(ナメクジ・ヒル・カタツムリ・特定の昆虫)を食べていると言われ、飼育下で動きの速いものはまず捕食できません。

 

水生種にはイトメ玉を水底に置いたり、スネールなどの巻貝を砕き弱らせてからあげます。

臭いに敏感なので、各種冷凍飼料も有効です。

慣れてくると熱帯ナマズ用の沈下性フードも食べるので、最終的にこちらに切り替えましょう。

 

陸生種もレプトミン等の人工飼料に餌付きますが、かなり環境に慣れる必要があります。

それまでは後脚を除いたコオロギ・ローチ類、シルク・ハニーワーム(ハニーワームでも陸生種にとっては動きが早い方です)等分したミミズなどを巣穴の前で揺らしてみてください。

音や匂いに気付けば必ず土壌から餌を食べに現れます。

 

餌をあげる時「コンコン」とケージのふちを叩くと覚えてくれることもあります。

ケージを空ける音に反応し姿を現すこともあるので、餌やりはそこまで難しくはありません。

 

それでは次は、アシナシイモリの繁殖の時期や産卵の時期はいつなのかについてお伝えします。

 

アシナシイモリの繁殖の時期や産卵の時期はいつ?

 

 

写真は水生種の幼生です。

 

 

こちらは陸生種の発達が進んだ卵です。

 

25%が卵生、残りが卵胎生のアシナシイモリですが、卵胎生種に関しては「いつの間にか出産」や「持ち腹出産」が極めて多く見られます。

 

繁殖期は種や生息域によりまちまちですが、概ね4月頃が平均値でしょう。

 

卵生種は水生種・陸生種共に陸で一度に30ないし60個ほどの卵を産卵します。

体内受精であり受精卵を産んだメスは木の根元・流木の陰などでとぐろを巻き、受精卵を孵化まで保護します。

 

受精卵は外鰓を吸収し孵化することが多く、この際アシナシイモリの幼体は「乳歯」を持ちます。

前述の表皮を初期餌にする種もいれば、メスが無精卵を産み初期餌にするなど保育はバラエティに富みます

 

国内でも数例ですが繁殖例はあります。

ぜひ飼育する機会があればチャレンジしてみてください。

 

次は、アシナシイモリの販売価格や値段はどれくらいなのかについてお伝えします。

 

アシナシイモリの販売価格や値段はどれくらいなの?

 

アシナシイモリでも「レア度」により価格が開きます。

 

ほぼ全ての個体が養殖ではなく野生採取の個体なので、平均的なお値段は万単位です。

 

ただ古くから熱帯魚ショップでお馴染みの「ラバーイール」こと「ミズアシナシイモリ」は例外で、概ね3,000~7,000円で販売されることが多いでしょう。

 

陸生種の代表で述べた「コータオヌメアシナシイモリ」ですが、ほんの2~3年前はコンスタントに入荷していましたが、最近はあまり見かけません。

人気がないのか?現地の政情で輸出困難なのか?分かりかねますが、この陸生種は2~3万円はするでしょう。

イベント価格でも18,000円だったのはしっかりと記憶しています。

 

その他のイモリとなると最低でも1万円札2枚は必要です。

特に和名がなく学名+species(いわゆる.sp表記)のアシナシイモリは数万円を見繕ってください。

 

最後は、アシナシイモリとヘビやミミズとの違いはなにかについてお伝えします。

 

アシナシイモリとヘビやミミズとの違いはなに?

 

まずアシナシイモリとヘビの違いです。

 

ヘビは体表に鱗を持ちますが、アシナシイモリは体表を粘膜で覆うのみです。

またアシナシイモリはゼラチン質に覆われた卵を出産しますが、ヘビは乾燥に強い「殻」を持つ卵を産みます。

 

アシナシイモリとミミズの差は平均体長です。

日本最大種の「シーボルトミミズ」は例外的に20~30cmほどありますが、その他の種は10cmに満たない種がほとんどです。

これに反しアシナシイモリは概ね30~40cmほどに成長します。

食性もミミズは落ち葉などの堆積物を食べる植物食の分解者ですが、アシナシイモリは完全肉食性です。

 

生物学的に見るとアシナシイモリは列記とした両生類です。

成長の過程で必ず「鰓」を持ちます。

 

これに反しヘビは爬虫類、ミミズは無毛類です。

どちらも水中で酸素を取り込める器官である「鰓」を終世持つことはありません。

 

それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!

 

アシナシイモリのまとめ!

 

いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは7個ありました。

覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!

 

①アシナシイモリの写真(画像)!特徴や性格は?呼吸の仕方は?英語でなんていうの?

アシナシイモリは意外と人懐っこい性格面を持ちます。

呼吸は両生類なので幼い頃は鰓呼吸、成体になると口腔内・皮膚・肺呼吸となります。

英語では“盲目”を意味する「Caecilian」と呼びます。

 

②アシナシイモリの生息地(分布)はどこなの?日本にはいる?フロリダやアマゾン川にいるの?

日本とフロリダ州には生息しません。

赤道直下の東南アジア・インド・アフリカ大陸・南米が主生息地です。

アマゾン川には多くの水生種が生息します。

 

③アシナシイモリが成体になると全長は最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?

2015年のカンボジアの論文報告で1.5mもの新種が発見され、こちらが最大種とされています。

寿命は定かではありませんが、飼育下データから概ね5~7年と推測されます。

 

④アシナシイモリの飼育(飼い方)方法は?温度設定はどうする?どう餌やりすればいい?

熱帯域の生き物なので22~30℃は最低ラインです。

爬虫類用の各種保温器具が転用可能です。

水生種は熱帯魚等のアクアリウム、陸生種は厚く敷いた土が主生活の場になります。

餌は鈍い生き物しか捕食できないので、活餌を弱らすか、人工飼料に早めに切り替えましょう。

 

⑤アシナシイモリの繁殖の時期や産卵の時期はいつ?

種によってまちまちですが、概ね4月ごろ体内受精で受精卵を産卵します。

 

⑥アシナシイモリの販売価格や値段はどれくらいなの?

最安値はミズアシナシイモリの3,000円~ですが、最近は余り流通しません。

陸生種の代表種コータオヌメアシナシイモリは2~3万円ほどです。

その他の種類も万単位の費用は必須です。

 

⑦アシナシイモリとヘビやミミズとの違いはなに?

生物学上は鰓呼吸を行わない爬虫類がヘビ・無毛類がミミズという差があります。

ヘビと比べアシナシイモリは体表が鱗ではなく粘膜に覆われています。

アシナシイモリの方がミミズと比べ平均体長が圧倒的に大きくなります。

 

それでは今回はこれで失礼します。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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