みなさんこんにちは。
本日は、サルビンオオニオイガメの生態についてまとめていきたいと思います。
サルビンオオニオイガメは、北米大陸と南米大陸をつなぐメキシコなどの中米各国に生息する、オオニオイガメ属の一種です。
北米大陸にはペットショップで目にすることの多い「ミシシッピニオイガメ」等の近縁種が生息しますが、ニオイガメ属と異なりオオニオイガメ属はかなり独特の進化を遂げています。
今回は、サルビンオオニオイガメについてのポイント、
以上5個の点についてお伝えします。
それでは、サルビンオオニオイガメの写真(画像)を見ていきましょう!
目次(クリックで飛べます)
サルビンオオニオイガメの写真(画像)!特徴や性格は?英語名はなに?
この様に飼育下では沈下飼料に容易に餌付きます。
サルビンオオニオイガメは「カメ目ドロガメ科オオニオイガメ属」に分類される中型種のカメです。
一際目につく特徴として、その頭部から尾部にかけて甲羅に入る隆起した3本線「キール」と呼ばれる部位があります。
オオニオイガメ属は2種類で構成されており、本種の他に「スジオオニオイガメ」という種類が知られています。
このカメにもキールが入るので混乱しがちですが、スジオオニオイガメはサルビンオオニオイガメの2倍ほどまで成長するドロガメ科最大種であり、よりキールがハッキリとしているので区別は難しくありません。
余談ですが「スジオオニオイガメ」の英名は「ジャイアントマスクタートル」と言います。
この名をショップで見かけた方は多いのではないでしょうか?
話をサルビンオオニオイガメに戻すと、更に本種には個性的な特徴が非常に多くみられます。
まずはその性格の荒さと、頑健な咬合力です。
成体を腹甲側から見ると、まるで別種であるはずのカミツキガメの様な体型をしています。
後述しますが、この様な体型を持つカメは一般的に非常に気が荒く、咬む力が強くなる傾向があります。
サルビンオオニオイガメもその例に漏れず非常に気が荒く、複数飼育下では強い咬合力もあり、オスメス問わず死ぬまで殺し合ってしまいます。
そのため複数飼育には繁殖期の見極めなどの熟練を要する上に、取り扱う際には飼育者も咬まれることに最新の注意を払う必要が生ずるのです。
そしてサルビンオオニオイガメは孵卵過程の外部気温で雌雄差が生ずることはありません。
人間の様に自身の染色体に「性染色体」を保有しており、性分化…つまりオスかメスかは受精卵時に既に決まっています。
サルビンオオニオイガメの食性は、その性格やアゴの強さから積極的な肉食性と思われがちですが、実は肉食傾向の極めて強い「雑食性」ということが解剖時の所見から明らかになっています。
甲殻類・魚類の他に未消化の果実なども含まれることが広く知られており、繁殖等を狙うならこの様な知識も持ち合わせていた方が良いですね。
生息国や地域により体色は黒から淡い黄色みを帯び多種多様となりますが、その頭部のみ虫食い状の不規則模様を持ちます。
サルビンオオニオイガメの腹甲は「喉甲板・肩甲板」を喪失しており、多種より甲板(腹部の甲羅の一枚部分)が少なく非常に退化しています。
裏を返せば可動域が大きく取れるので、前述したカミツキガメの様に甲羅による防御ではなく、攻撃力により身を守ることに特化したのでしょう。
サルビンオオニオイガメの学名は「Staurotypus salvinii」、英名は「Pacific coast giant musk turtle」「Chiapas giant musk turtle」と複数ありますが、前者の方が多用されています。
次は、サルビンオオニオイガメの生息地(分布)をお伝えします!
サルビンオオニオイガメの生息地(分布)はどこなの?グアテマラにいるの?
この様にサルビンオオニオイガメは特徴的な腹甲を持ちます。
サルビンオオニオイガメはエジプト南部・エルサルバドル、そしてグアテマラといった中米に生息しています。
グアテマラ産のサルビンオオニオイガメは黒色が強い傾向があり、総個体数の多さから、かつては主要産地として輸入量の大半を占めていました。
現在、生息各国ではほぼ完全にその物流はストップしており、国内に出回るのはほぼ飼育下繁殖個体となります。
サルビンオオニオイガメはほぼ完全な水生と言っていいほど沼や池・緩やかな河川に依存し、産卵以外は滅多に陸上に上がりません。
水の流れを嫌い、止水や用水路の様な緩やかな小川の「底部」…つまり泥や落ち葉などの堆積物が多い箇所に集中しているようです。
次に、サルビンオオニオイガメの大きさと寿命をお伝えします!
サルビンオオニオイガメが成体になると最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?
サルビンオオニオイガメは2種しかいない「オオニオイガメ属」の最小種です。
もう一つのオオニオイガメ「スジオオニオイガメ」が40cm超と巨大化するので、サルビンオオニオイガメが必然的に最小種となる訳です。
基本的にメスの方が大きくなり、成体では最大甲長25cmほど、オス個体はこれより小型化し約17〜19cmほどになります。
ですので、サルビンオオニオイガメの最大サイズはメスが基準となり、その最大値は甲長25cmほどという認識で構いません。
あくまでカメの大きさは全長ではなく「甲長:甲羅の長さ」で表すので、四肢や尾部・頭部を入れると、それなりのボリュームのカメとなります。
寿命については非常に丈夫なカメとして知られており、飼育下でも大切に飼育すれば悠に30年ほどは生き続けるでしょう。
次は、サルビンオオニオイガメの飼育(飼い方)方法をお伝えします!
サルビンオオニオイガメの飼育(飼い方)方法は?なにを餌にしているの?
サルビンオオニオイガメの飼育は単刀直入ですが、非常に容易となります。
というのも、余程のことがない限りほぼ人工飼料に餌づきますし、中型種ということで少し大きめの水槽で終世飼育可能だからです。
逆に飼育に関し気をつけなければならない点、これを最初に抑えておきましょう。
まずサルビンオオニオイガメは単独飼育が基本です。
野生下でも単独行動をするカメであり、気性の荒さや防御方法が「噛み付き攻撃」ということもあり、同種多種問わず混泳はほぼ不可能です。
飼い主にも遠慮なく食らいつくので、取り扱う際は十分気をつけましょう。
次によく動き食欲もあるカメなので、「排泄・肥満」の2点に気をつけます。
排泄量が非常に多く、サルビンオオニオイガメの活動量の高さもあいまって、あっという間に飼育水が汚れてしまいます。
そのため基本的には底砂のない「ベアタンク」飼育から始めましょう。
飼育初期では、排泄物を見つけたら即全換水した方が、見た目は悪いですが立ち上がりは非常に良くなります。
「肥満」についてですが、活発なカメですが十分な運動スペースがないと即肥満化してしまい、内臓疾患などで死んでしまいます。
このためにより大きな水槽やプラ舟等で飼育するか、サルビンオオニオイガメが求めるがままに餌を与えないことが、かなり大切です。
これらの点を念頭におけば、サルビンオオニオイガメの飼育はかなり容易です。
まず飼育ケージは60〜90cm規格水槽や、それに準じたプラ舟や衣装ケースでも代用可能です。
低温に弱いのでケージ内は気温・水温共に27〜29℃を維持しましょう。
水深はサルビンオオニオイガメが立ち上がり呼吸ができる深さにします。
ホットスポットなどは数℃ほど高く設定し、そこを陸場にするのもいいでしょう。
昼行性のカメですので紫外線ランプは、1日8〜10時間は照射し続けてあげてください。
サルビンオオニオイガメはかなり悪食で貪欲なため、先に述べた様に餌の与えすぎには注意が必要です。
餌は市販の肉食性水生カメ用フードに容易に餌付きます。
もし人工飼料への反応が鈍いようでしたら、嗅覚を刺激する餌…例えば冷凍アカムシや冷凍魚類等を切り分けて与え、徐々に人工飼料へ切り替えると大抵餌づくはずです。
最後に注意していただきたいのは「脱走」です。
中型種とはいえ、かなりの咬合力をサルビンオオニオイガメは持ちます。
子供などには容易に大怪我をさせかねませんので、くれぐれもお気をつけください。
それでは最後に、サルビンオオニオイガメの販売価格や値段をお伝えします!
サルビンオオニオイガメの販売価格や値段はどれくらいなの?
サルビンオオニオイガメは生息国のエルサルバドル・エジプト・かつての主要輸出国グアテマラでは現状、ペットとしての流通がほぼストップしています。
現地の治安の悪化・保護施策が主要因であり、ショップでお目にかかるのは過去に飼育されていた個体か、国内外の人工繁殖個体となります。
そのためやや値段は高く、大きさや状態により変動しがちですが、約20,000〜30,000円ほどの価格帯です。
それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!
サルビンオオニオイガメのまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは5個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①サルビンオオニオイガメの写真(画像)!特徴や性格は?英語名はなに?
甲羅内に隠れるのではなく、攻撃による防御に特化しており、非常に気性が荒く噛みつき力も大きいので取り扱いに注意が必要です。
英語名は2つありますが「Pacific coast giant musk turtle」と呼ばれるのが一般的です。
②サルビンオオニオイガメの生息地(分布)はどこなの?グアテマラにいるの?
メキシコ・エルサルバドル・グアテマラ3国の、沼や池・緩やかな流れの河川の底部を好んで生息しています。
グアテマラはかつてはサルビンオオニオイガメの主要輸出国でした。
③サルビンオオニオイガメが成体になると最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?
メスの方が巨大化し、その最大甲長は約25cmになります。
寿命は飼育下・野生下とも長寿であり、約20〜30年ほどです。
④サルビンオオニオイガメの飼育(飼い方)方法は?なにを餌にしているの?
非常に貪欲・悪食であり、自然界では水生昆虫・魚類等に食らいつき、カエルなどの両生類や他種のカメまで食べてしまいます。
意外にも果実食を行うこともあります。
飼育下では肉食性水生カメ用の人工飼料を与えますが、肥満死しやすいので与えすぎには要注意です。
咬合力の強さ・肥満死・気性の荒さ等に気をつければ、中型種ということで飼育は非常に容易です。
60〜90cm規格水槽に準じたケージに、呼吸できる場を設けた環境で飼育してください。
温度はやや高めの27〜29℃、ホットスポットは数℃上げ、日中に8〜10時間ほど紫外線灯をつけてあげます。
⑤サルビンオオニオイガメの販売価格や値段はどれくらいなの?
野生個体の流通が極端に少なく、ほぼ繁殖個体が出回ります。
値段は概ね20,000〜30,000円ほどです。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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