みなさんこんにちは。
本日は、チチュウカイカメレオンの生態についてまとめていきたいと思います。
チチュウカイカメレオンはその名の通りヨーロッパ地中海一帯に棲息しており、EU諸国が誇る唯一のカメレオン種です。
その食性や生態などは、熱帯・亜熱帯に住むカメレオンとは一線を画しており、地中海性気候に合わせ独自の進化を遂げた非常に稀有なカメレオンとなります。
今回は、チチュウカイカメレオンについてのポイント、
以上5個の点についてお伝えします。
それでは、チチュウカイカメレオンの写真(画像)を見ていきましょう!
目次(クリックで飛べます)
チチュウカイカメレオンの写真(画像)!特徴や性格は?なつくの?
画像はチチュウカイカメレオンのアダルト個体です。
チチュウカイカメレオンだけでなくカメレオン科全体が、その保護色に代表される様に臆病な生き物です。
自然界では猛禽類や肉食獣・ヘビなどにも捕食されがちであり、生物ピラミッドでは下位捕食者に分類されています。
動きも緩慢であり、その身を色彩変異のカモフラージュで守っているので、基本的には懐かない生き物だと思いましょう。
ただ、数年飼い込まれた個体はある程度の慣れを見せます。
タイミングを見計らい、ちょっとしたハンドリング等は充分可能でしょう。
チチュウカイカメレオンの特筆すべき特徴は、その名の通りカメレオン科で唯一地中海性気候に順応しており、ヨーロッパに生息するという2点に尽きます。
生息域については後述しますが、この2つの点でかなり珍種のカメレオンに分類されており、カメレオンの進化・分布を解き明かす研究対象種としても広く着目されています。
チチュウカイカメレオンは地中海周辺以外にも広範囲に生息するため、体色も様々なバリエーションに富み、その生息地に頼らなければ個体群の同定がかなり困難です。
そのため亜種も非常に多く、実に4種類に渡り確認されています。
完全な単独行動を取る種であり、繁殖期には自らのテリトリーに侵入するメス個体のみ許容し、オス個体同士は激しい争いも行います。
メスはオスより一回りほど大きく、縄張り争いを制したより逞しいオスを選び、子孫を残します。
胎生種が多いカメレオンの仲間ですが、このチチュウカイカメレオンは完全卵生種であり、一回の産卵では基本的に一個の卵のみ地中に産みつけます。
孵化までは約一年もの時を用し、性成熟にかかる期間は僅か一年と、かなり繁殖サイクルが短期に限られています。
現在チチュウカイカメレオンはIUCNレッドリストでは最も低い「低危険種:LC」に位置しているものの、ワシントン条約II類により、その商取引には厳重な規制がかかっています。
また、生息各国による法律によって厳重な保護がなされており、輸出や捕獲が極めて制限されているのが現状です。
またチチュウカイカメレオンの生息地はシリアやヨルダン等、国際的な紛争地域も多く、日本の外務省が警告する「渡航危険最大レベル4の地帯」「生命の危険のある地域」が多く見られます。
この様な国際情勢と、先のワシントン条約による厳重な保護もあり、手に入れるにはごく限られた国家から輸入するしかありません。
次は、チチュウカイカメレオンの生息地(分布)をお伝えします!
チチュウカイカメレオンの生息地(分布)はどこなの?
チチュウカイカメレオンの捕食シーンです。
チチュウカイカメレオンはその名の通り、地中海及び紅海周辺に分布します。
更に生息地は中東地域・北アフリカ大陸にも及びます。
ヨーロッパ地方ではイタリア・スペイン・ポルトガル各国の南部、キプロス、そしてギリシャのクレタ島が本来の原産地です。
古くはイエズス会の宣教師により、ギリシャのマルタ等やカナリア諸島に持ち込まれ、国内移入種として完全定着しています。
少数ですがイタリア付近の島々での目撃例も報告されています。
その種名からヨーロッパ主体の種と勘違いされやすいのですが、最大の生息地は北アフリカと中東地域になります。
ただ、他のカメレオンと比べ各大陸を南下することは一切できません。
中東ではパレスチナ・シリア・イラン・イラク・サウジアラビア・イエメン…北アフリカ地域ではモロッコ・アルジェリア・チュニジア・リビアの、それぞれ最北端部分に集中しています。
チチュウカイカメレオンはカメレオンの仲間の中では、かなり低温地帯を好むということですね。
次に、チチュウカイカメレオンの大きさと寿命をお伝えします!
チチュウカイカメレオンが成体になると最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?
チチュウカイカメレオンは約30cmと、カメレオンの仲間では極めて平均的な大きさです。
メスの方が一回りほど大きくなるのが特徴的です。
稀に40cmに達する個体もおり、こちらが最大値と言われていますが、ほとんどのチチュウカイカメレオンはここまで大きくなりません。
その繁殖サイクルから短命と思われがちですが、意外にも野生下では約10年ほどの寿命を持ちます。
ただ、飼育はその特殊性からかなりの困難さを伴い、動物園・保護施設などのエキスパート機関でも短命に終わることが多いようです。
次は、チチュウカイカメレオンの飼育(飼い方)方法をお伝えします!
チチュウカイカメレオンの飼育(飼い方)方法は?なにを餌にしているの?
チチュウカイカメレオンは多種の例に漏れず昆虫食が主体となります。
ただ変わったことに植物食の一面もあり、木々に実った柔らかい果実なども食べています。
更には何と小型のカメレオンを常食する個体群もおり、その食性は飼育下に限定すれば、極めて難しいものとなります。
ハッキリ言うとチチュウカイカメレオンは、プロの専門家・動物園等でも容易に飼育できません。
カメレオンの仲間でもチチュウカイカメレオンは最高難易種と考え充分な準備・知識を経てから、その飼育に手を出して下さい。
幸いにも飼育下全長は約20cmほどで止まるので、そこまで大きなケージは不要です。
ケージは市販の爬虫類用の立方体式ケージや、デグー・シマリス用の縦長ケージをうまく流用した「ビバリウム」で飼育します。
チチュウカイカメレオンはそこまで動かないので、横幅が全長の2〜2.5倍・縦幅が3〜4倍ほぼあれば十分です。
問題となるのが「気温」と「水分」と「湿度」です。
気温はチチュウカイカメレオンが自ら体を温める「ホットスポット」と「ケージ内の常温」それに付随した「紫外線灯」が欠かせません。
カメレオンとしては北部に生息するので、気温はさほど求めず、概ね24〜26℃間で問題がありません。
ホットスポットは身体全体を温めれる必要があるので、20cm以上の身を預ける場所とセットで設置します。
ホットスポットのみ30℃を超える温度設定にして下さい。
紫外線灯はビタミン生成のための必需品です。
チチュウカイカメレオンは昼行種であり、比較的日の長い地域に生息するので10〜12時間は紫外線等をつけっぱなしにしましょう。
冒頭で果実食・カメレオン食と書きましたが、実際飼育下ではそれらの餌をコンスタントには用意できません。
ごく稀に熟した果実を与えている飼育者をいますが、それらの果実は日本産であり栄養素も異なります。
積極的に与えているという話もあまり聞かず、その後のチチュウカイカメレオンの健康状態も不明瞭なので、個人的に嬉々として与え続ける必要はなく「爬虫類用サプリメント」で足りない栄養素をフォローした方がベストと感じます。
チチュウカイカメレオンは中型種であり、与えることのできる昆虫類も非常に豊富となります。
一般的にはフタホシ・ヨーロッパイエコなどのコオロギがメインとなりますが、ワーム類・デュビア・レッドコークローチなどのゴキブリなどが適しています。
与える際には餌昆虫の体表にカルシウム剤・ビタミン剤を満遍なくまぶしてあげましょう。
湿度については明確なパーセンテージはなかなか示されておらず、チチュウカイカメレオンのコンディションを伺いながら最適湿度を突き詰めましょう。
アフリカ大陸広域に生息する他種と比べると必要湿度は低い…とも言われますが、用心のため例により「水場」はチチュウカイカメレオンの全長以上のものを用意します。
ドリップ式・エアレーション式かはお任せになりますが、1日2回ほどケージ全体への霧吹きは欠かさないようにします。
チチュウカイカメレオンのストレス軽減のため、緑の植物を張り巡らせることは必須です。
観葉植物を鉢植えのままケージに入れてもいいですし、より自然に近い環境を目指し、保湿性の高い床材に直に植えてしまうこともできます。
とにかく5〜10年のスパンで入荷がなく、かなり高価なカメレオンである本種です。
毎日毎時間、事細かに健康状態をチェックすることが非常に望まれます。
それでは最後に、チチュウカイカメレオンの販売価格や値段をお伝えします!
チチュウカイカメレオンの販売価格や値段はどれくらいなの?
チチュウカイカメレオンはワシントン条約II類に指定されており、国際的な商取引にかなりの制限が引かれます。
また生息国でも厳重な保護下にあるため、流通量がシビアであり、当たり前にその分高額な値段がつきます。
ただ高額と言っても100万単位の話ではなく、概ね数万〜10万円ほどが一匹あたりの単価です。
それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!
チチュウカイカメレオンのまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは5個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①チチュウカイカメレオンの写真(画像)!特徴や性格は?なつくの?
チチュウカイカメレオンだけでなくカメレオン種は被捕食者なので、触れるだけでストレス死に繋がります。
ハンドリングなどの慣れに持ち込むには、数年以上の飼い込みは必須でしょう。
基本は懐かない動物と認識して下さい。
チチュウカイカメレオンはヨーロッパに生息する唯一のカメレオンです。
熱帯・亜熱帯気候以外では、その名の如く「地中海性気候」に順応した唯一のカメレオンです。
雑食性で共食いもする変わった食性を持ちます。
②チチュウカイカメレオンの生息地(分布)はどこなの?
地中海沿岸では北部に集中し、その他中東や北アフリカ地域に生息します。
③チチュウカイカメレオンが成体になると最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?
最大値は概ね30cmで、40cmという記録も過去にはあります。
飼育下では一回り小さくなり20〜25cm程度とも言われます。
④チチュウカイカメレオンの飼育(飼い方)方法は?なにを餌にしているの?
雑食性ですがカルシウム・ビタミンなどの爬虫類サプリをコオロギ・デュビアにまぶし、栄養バランスを保ちます。
縦長の爬虫類ケージやデグー用などの小動物ケージも流用可能です。
気温は25〜26℃と熱帯種よりやや低めにし、ホットスポットもやや下げます。
紫外線は充分吸収させましょう。
湿度は飼育環境により変わるので、チチュウカイカメレオンの状態と相談しながら、試行錯誤する必要があります。
最低限チチュウカイカメレオンが浸かれる水場、日に2回のケージ全体への霧吹きは欠かさないでください。
ちなみに給水はドリップ式・エアレーション式どちらでも構いません。
⑤チチュウカイカメレオンの販売価格や値段はどれくらいなの?
ワシントン条約II類に入り、各国で保護されていることから、数年に一度入荷するほどのレア種です。
そのため価格も相応で、概ね数万〜10万円ほどになります。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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