みなさんこんにちは。
本日は、サドガエルの生態についてまとめていきたいと思います。
トキ保護センターがある事で有名な新潟県佐渡島ですが、この地にしか存在しない希少なカエルをご存知でしょうか?
それが「サドガエル」です。
2012年に新種として報告されたサドガエルは、佐渡島の環境下でしか生息できず、早急な保護・保全が必須な希少種とも言えます。
今回は、サドガエルについてのポイント、
以上6個の点についてお伝えします。
それでは、サドガエルの写真(画像)を見ていきましょう!
目次(クリックで飛べます)
サドガエルの写真(画像)!鳴き声の特徴や性格は?絶滅危惧種なの?学名や英語でなんていうの?
写真は繁殖行為を行うサドガエルのペアです。
サドガエルは成体の全長が約3〜5cmの小型ガエルであり、アカガエル科ツチガエル属に分類されます。
その分類系統が示す様に、長い間「ツチガエル」と誤認されており、種としての独立が確認されたのは僅か10年前の2012年です。
佐渡島唯一の「脊椎動物固有種」であり発見時は同属のツチガエルとの交雑が懸念されましたが、致死性遺伝子や交雑不良が頻繁に起こり、生物学的に雑種誕生の可能性はゼロという事が明らかになっています。
古くから佐渡島の水田での生息は農業従事者により確認されており、その性格は同属のツチガエルに酷似し、警戒心はあるのですがおっとりとしており捕獲は容易い様です。
サドガエルの学名種小名「susurra」は「ささやく」という意味であり、同地域に住む他のカエルと比べると、非常にか細く小さな声で鳴くことが知られています。
「ギューギュー」というか細い鳴き声を発しますが、鳴き袋がないためその声は響きにくく、耳を澄ま背でも聞こえないほどです。
サドガエルは2012年現在、IUCN・環境省レッドリストにおいて共に「絶滅危惧種カテゴリー:絶滅危惧IB類(EN)」に指定されており、その保護施作は国内・国外共に注視されています。
サドガエルが絶滅危惧種に瀕しているのは大きく分けて2通りの理由が挙がります。
1つ目は国の特別天然記念物「トキ」による食害です。
既に日本産のトキは完全絶滅してしまいましたが、佐渡島トキ保護センターでは中国より繁殖可能な個体を貸与し、再び佐渡にトキを人工移入しようとしています。
なんとも皮肉な話ですが、野外に放たれたトキの主食はドジョウやカエルなどの生き物なのです。
現状はこの計画自体が遅々として進まず、佐渡ガエルの捕食は微々たるものですが、将来的なトキの個体数増加には必ず考慮すべき問題となることでしょう。
2つ目はサドガエルそのものの成長スピードが深く関係しています。
元々サドガエルは水田に水が流入する5〜8月ごろに約700個もの卵を産卵します。
本来なら種の存続に十分な産卵数ですが、サドガエルはオタマジャクシが冬越をし、翌年に変体し上陸するという非常にスローペースなライフサイクルを取ります。
そのため稲作に必須の乾田や、冬場の休耕田の状態では水が干上がり、水田では生き残れません。
この2点がサドガエルに取って致命傷となり、その数を極端に減らしているのです。
ただトキを始め、自然動物の保護が活発な佐渡島では休耕田に水を張り、人工的なトキの餌場などを作る試みも行われています。
これに並行し冬場でも水棲生物が生息できる環境を増加していく計画があり、これに期待する以上はありません。
ちなみにサドガエルの英名は「Sado wrinkled frog」と言い、学名は「Glandirana susurra」です。
どちらも日本的な意味合いの強い名前となります。
次は、サドガエルの生息地(分布)をお伝えします!
サドガエルの生息地(分布)はどこなの?新潟県にいるの?
サドガエルの生息地は新潟県佐渡市…つまり佐渡島となります。
本土の新潟県には生息していませんが、住所で言えば列記とした新潟県の固有種とも言えます。
佐渡島でも通年水が張り続ける中部域にのみ限定して分布しており、米所である新潟県ということもあり水田の数が多く、探し出すのは非常に困難です。
次に、サドガエルの大きさと寿命をお伝えします!
サドガエルが成体になると最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?
サドガエルの成体は概ね3〜5cmまで成長し、雌雄差はパッと見ると不明瞭ですが、ややメス個体の方が大きくなります。
個体ごとの大きさに差が見られないカエルであり、最大値は5cmと見ていいでしょう。
サドガエルはたった10年前に新種認定されたばかりであり、その寿命はかなり不明瞭です。
ただ酷似した生態を持つツチガエルを参考とするならば、概ね3〜5年ほどの寿命を持つと言われています。
仮に飼育下であれば、その年数は伸びる可能性もありますが、それには彼らを絶滅危惧種から外さなければなりません。
次は、サドガエルの飼育(飼い方)方法をお伝えします!
サドガエルの飼育(飼い方)方法は?何を餌にしているの?
サドガエルの飼育についてですが、残念ながら厳重な保護課の元、飼育自体が禁じられています。
そもそも絶滅危惧種なので売買はおろか、採集そのものすら禁じられています。
新種として認識されてから10年しか経ちませんが、既に絶滅の危機下にあるカエルです。
くれぐれも安直な野生個体の採取・飼育などは絶対に避けて下さい。
「種の保存法」や新潟県の条例などに抵触する恐れがあり、その行為は「密猟」と見做されかねません。
サドガエルは多種の例に漏れず、昆虫類を主食としています。
ただ近年は佐渡島にすらウシガエルが流入しており、ウシガエルがサドガエルを捕食する問題が起きています。
佐渡島という限られた島にしか生きられないサドガエルです。
飼育したい気持ちは山々ですが、まずは個体数の回復や保護に努め、絶滅危惧種を脱却するのが飼育に向けての最低条件となるのではないでしょうか?
次に、サドガエルとツチガエルの違いをお伝えします!
サドガエルとツチガエルの違いはなに?
写真の様にサドガエルは腹部に濃い黄色味が入るのが最大の特徴です。
サドガエルとツチガエルは佐渡島ではうまく住み分けをしており、北部と南部にツチガエル、島中央部にサドガエルの主生息地があることで大まかに判断できます。
形態的な差はサドガエルの方がツチガエルより一回りほど小さく、背部のイボ状の突起も密にならず全体的にシャープな感じでボコボコとしていません。
腹部を見ると一目瞭然で白色のツチガエルに対し、サドガエルはかなり濃い黄色みがかかるのが特徴的です。
前述しましたがサドガエルは鳴き袋…いわゆる鳴嚢という器官を持たず、オスの鳴き声が非常にか細く響かないという点でも区別が可能です。
それでは最後に、サドガエルの販売価格や値段をお伝えします!
サドガエルの販売価格や値段はどれくらいなの?
既に述べましたが、環境省レッドリスト入りしているサドガエルの売買は完全な違法行為です。
販売価格や値段はないものとして下さい。
どうしても手に入れたい…そんな方はその気持ちを抑えて、現地に赴き野生のサドガエルを観察することをお勧めします。
絶滅危惧種、しかも国内でその野生のありのままの姿を観察できるということは、かなり恵まれた環境ではないのでしょうか?
それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!
サドガエルのまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは6個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①サドガエルの写真(画像)!鳴き声の特徴や性格は?絶滅危惧種なの?学名や英語でなんていうの?
鳴嚢が無いので「ギューギュー」とか細い声で鳴きます。
性格そのものは野生種らしく機敏ですが、他種と比べると何処となくノンビリしている様に見えます。
IUCN・環境省レッドリスト共に絶滅危惧種(絶滅危惧IB類)に指定されており、早急な保護施策が望まれます。
学名は「Glandirana susurra」英名は「Sado wrinkled frog」です。
②サドガエルの生息地(分布)はどこなの?新潟県にいるの?
新潟県佐渡市に生息するので新潟県の固有種とも言い換えられます。
佐渡島にのみ生息し、本土には一切生息しません。
③サドガエルが成体になると最大でどれくらいの大きさに成長する?寿命は?
全長は3〜5cm、寿命は5年ほどと言われています。
④サドガエルの飼育(飼い方)方法は?何を餌にしているの?
主食は他のカエル同様、昆虫食です。
絶滅危惧種なので飼育は不可能です。
⑤サドガエルとツチガエルの違いはなに?
サドガエルの方が一回り小型であり、背面のイボも密ではありません。
サドガエルの腹部は濃い黄色模様が入るので、その差は一目瞭然です。
⑥サドガエルの販売価格や値段はどれくらいなの?
残念ながら厳密な保護下にあり販売されることはなく、値段もつきません。
どうしても興味があるならば、現地で野生の姿を観察してみて下さい。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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