【ニホンヒキガエルの生態!】飼育方法や毒性について等9個のポイント!

 

みなさんこんにちは。

本日は、ニホンヒキガエルの生態についてまとめていきたいと思います。

 

日本には固有の両生類が非常に多く存在します。

現在外来種を含めると国内に5種存在するヒキガエル、その仲間も例に漏れず完全在来種が多く、貴重なカエルなんです。

 

今回は、ニホンヒキガエルについてのポイント、

①ニホンヒキガエルの写真(画像)!鳴き声やおたまじゃくしの特徴や性格は?毒性はあるの?
②ニホンヒキガエルの生息地(分布)はどこなの?絶滅危惧種なの?天敵はだれ?
③ニホンヒキガエルが成体になると最大でどれくらいの体重や体長に成長する?平均の寿命は?
④ニホンヒキガエルの飼育(飼い方)方法は?飼育環境(温度や飼育ケージの選び方)はどうする?
⑤ニホンヒキガエルの餌と量はどうする?どう餌やりすればいい?
⑥ニホンヒキガエルの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?
⑦ニホンヒキガエルの繁殖の時期や産卵の時期はいつ?
⑧ニホンヒキガエルの販売価格や値段はどれくらいなの?
⑨ニホンヒキガエルの種類や品種はなにがいる?アズマヒキガエルの違いや見分け方は?

 

以上9個の点についてお伝えします。

それでは、ニホンヒキガエルの写真(画像)を見ていきましょう!

 

ニホンヒキガエルの写真(画像)!鳴き声やおたまじゃくしの特徴や性格は?毒性はあるの?

 

 

写真はニホンヒキガエルの野生個体です。

 

ニホンヒキガエルは両生網無尾目ヒキガエル科ヒキガエル属に分類され、亜種の「アズマヒキガエル」と同属にあたります。

 

他には山間の渓流に住む珍種「ナガレヒキガエル」も完全固有種であり、唯一の例外は石垣島などに帰化してしまった特定動物「オオヒキガエル」となります。

尚、沖縄県宮古島にしか製作しない、宮古島固有種の「ミヤコヒキガエル」も有名ですね。

 

ニホンヒキガエルの鳴き声は一般的に繁殖期に聞かれることが多く、通常はあまり鳴きません。

 

その鳴き声は「メスを誘う鳴き声」「リリースコール」です。

ガマ合戦とも呼ばれる繁殖活動は、とにかくメスの奪い合いになります。

その際間違えてオスはドジョウやウシガエルに抱きつき包摂することさえ起こるんです。

こんな時ニホンヒキガエルは「自分はオスだよ!」と相手に伝えるため「クックックッ…」と、まるで鶏のような高い連続音で鳴くのです。

これは飼育下個体のオスを掴んだ際にも聞くことができます。

 

主な鳴き声はやはりメスとのやり取りですが、この際はリリースコールよりやや間延びした「グッ…グッ…グッ…」という鳴き声を発します。

 

基本的には、ニホンヒキガエルは繁殖期以外は滅多に水場に入らないカエルです。

そのため、多くのヒキガエルが繁殖期には自ら水場に赴くので、アマガエルのようにメスを積極的に誘うためには鳴かないんですね。

人間で言うと集団お見合いの様なものでしょうか?

そのためニホンヒキガエルはカエルとしては無口な部類に入ります。

 

ニホンヒキガエルの卵塊は粒状ではなく紐状であり、その中には数百個の卵が内包されています。

 

意外ですが生体の巨大さと反比例し、オタマジャクシは非常に小さく、草食寄りの雑食性です。

そして僅か1週間足らずで3〜5mmの極小サイズの子ガエルに変体し、上陸してしまいます。

これはニホンヒキガエルの親が、一時的に出来た水溜りや沼にも多く産卵することに起因しているからと言われています。

この様な水場はすぐに干からびてしまうので、オタマジャクシは貪欲に栄養をとり、直ぐに変体する必要性があります。

 

変体直後の上陸個体はとにかく小さいの一言です。

そのため卵から育て上げるのは相当難しくなります。

 

ちなみにヒキガエルの仲間は多くの種類が有毒種であり、これはニホンヒキガエルも同様です。

 

俗に言う「ガマの油」、実は身を守る毒なのですが、それを鼓膜の後ろの耳下腺に溜め込んでいます。

白濁しており昔話の油に似ていなくもないですが、これは完全な毒となります。

更に体内には「ブホトキシン」という毒を持ちます。

そのため触れた後は必ず手洗い・消毒をするのが鉄則ですね。

 

ただ面白いことにヘビの仲間「ヤマカガシ」はこの毒に耐性を持ち、ヒキガエルを積極的に捕食します。

ヤマカガシも奥歯に毒を持つ有毒種ですが、その一部の毒をニホンヒキガエルを摂食する事で取り込んでいることが、近年明らかになりました。

 

次は、ニホンヒキガエルの生息地(分布)をお伝えします!

 

ニホンヒキガエルの生息地(分布)はどこなの?絶滅危惧種なの?天敵はだれ?

 

 

上記画像はニホンヒキガエル特有の紐状の卵塊です。

 

ニホンヒキガエルの生息地は北海道・沖縄を除く西日本です。

 

本州では近畿地方を境に西側の本州・四国・九州が元々の生息地であり、東側が名前の通り東(アズマ)ヒキガエルの本来の生息地です。

ただ人為的移入が各地に見られる上に、お互い交雑してしまうので、個体の遺伝子汚染が深刻になっています。

 

IUCNレッドリストでは最も絶滅から遠いLC(低危険種)にカテゴライズされますが、この様な交雑問題から、今後純潔の個体群の維持が課題となっています。

 

天敵ですが、毒性もあり幼生・幼体の時期以外は驚異が少ない本種ですが、先程のお話の通り「ヤマカガシ」の主食となっています。

地方ではマムシの幼蛇すら食べてしまうニホンヒキガエルですが、ことヤマカガシには全くの無力なんですね。

 

次に、ニホンヒキガエルの大きさと平均の寿命をお伝えします!

 

ニホンヒキガエルが成体になると最大でどれくらいの体重や体長に成長する?平均の寿命は?

 

ニホンヒキガエルの体重・体長には雌雄差があります。

 

オスの方が小型になり、メスの方が一回り大きくなるのです。

非常に生息域も広く地域個体群の差も顕著なカエルですが、全長は概ね80〜最大値180mm程度、体重は50gほどの小型個体から最大600gまで育つと言われています。

 

寿命は野生下の方が短命で約3〜5年ほどです。

 

飼育下個体はうまく飼育すれば10年は生き続けます。

 

次は、ニホンヒキガエルの飼育(飼い方)方法をお伝えします!

 

ニホンヒキガエルの飼育(飼い方)方法は?飼育環境(温度や飼育ケージの選び方)はどうする?

 

ニホンヒキガエルは完全地表生活者であり、アマガエルのようなツリーフロッグとは異なる飼い方が必要です。

 

まずケージですが、高さより底面積を重視してください。

 

余りに面積が足りないと跳躍して吻部を傷つけたり、移動できないストレスが溜まります。

市販の水槽で60cm以上の床面積は必ず必要です。

概ね1800〜2000平方センチメートル以上といったところでしょうか。

もちろん広ければ広いほどニホンヒキガエルにとっては理想的な環境です。

 

温度は室内飼育なら室温に任せて構いません。

 

逆に屋外での飼育は避けた方が無難です。

ある意味ケージに閉じ込めた状態ですので、ちょっとした気候の変化や気温の低下についていけずに死亡する例が多く見られるからです。

 

ニホンヒキガエルの飼育で注意するのは「湿度」です。

 

これと言う明確な基準値は地域による変化が大きいので示し難いのですが、繁殖期以外は水場を遠ざける生態を持ちます。

ですが水分はあらゆる動物に必須なので、ちょっとした水容器は常に置いておきましょう。

ニホンヒキガエルのイボやダブついた皮膚は、陸地での降雨の際に効率よく水分を取る仕様であり、その水分で皮膚呼吸も補っています。

頻繁にする必要はありませんが、1週間に2〜3度ほど、降雨の代わりに霧吹きもしてあげましょう。

 

ニホンヒキガエルは昔は人家の軒先や神社の境内などでよく見られ、大抵が岩やブロック塀の陰などで休息を取っていました。

これはニホンヒキガエルが完全夜行性のためです。

 

床材などはメンテナンス等を考えればキッチンペーパーなどでも飼えなくはないですが、野生味が強いのでストレス死に繋がる可能性が払拭できません。

ベストは園芸用の赤玉土・黒土などをミックスし乾燥方向に傾けたものか、腐葉土等が挙げられます。

ソイル等も使えますが、基本は泥を球状に固めたものなので湿気がこもりやすく、乾燥させる工夫が必要になるでしょう。

 

シェルターは大型爬虫類用のものや、植木鉢等が流用できます。

 

次に、ニホンヒキガエルの餌と量、与え方をお伝えします!

 

ニホンヒキガエルの餌と量はどうする?どう餌やりすればいい?

 

ニホンヒキガエルの野生界における餌はナメクジ・ミミズ・陸生貝類・ワラジムシなどの陸生甲殻類・小型の爬虫類・両生類・コオロギ・バッタ等の昆虫・ヤスデやムカデなどをバランスよく食べています。

 

基本は動く餌にしか反応しません。

導入直後はヨーロッパイエコオロギやフタホシコオロギなどを購入して与えましょう。

自家採取したミミズやクモなども喜んでくれますよ。

 

慣れてきたら大きめのピンセット等で、冷凍飼料や人工餌を目の前で揺らしてみてください。

こちらに食いつく様になれば、飼育はかなり楽になります。

 

ニホンヒキガエルは変温動物なので、季節により餌の量は変化させましょう。

 

暖かい季節は2〜3日にコオロギを数匹ほど、寒い時期は冬眠に入る前に1週間に数匹ほどに切り替えてください。

冬季間際ですと、餌が未消化でお腹の中に残り腐敗してしまうので、取り分け慎重に給餌して下さい。

 

単食だと栄養の偏りが見られるので、適宜カルシウム・ビタミンパウダー等をコオロギにまぶして与えます。

 

次は、ニホンヒキガエルの性別雌雄(メスオス)の見分け方をお伝えします!

 

ニホンヒキガエルの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?

 

ニホンヒキガエルの性別判定は大きく分けて4つの方法があります

 

まずニホンヒキガエルの前足の下を掴んでみます。

この際「自分はメスではない」というリリースコールを発し鳴くのがオス、鳴かないのがメスです。

 

2つ目は鼻先…つまり口吻の長さです。

口吻が出っ張りとんがっている形状がオス、すとんと落ち込み丸みがかるのがメスですが、こちらの判別はかなり難しくなります。

 

3〜4つ目は主に発情・繁殖期限定になります。

ニホンヒキガエルのオスはメスに比べ、包摂のため前腕が肥大化します。

またオス個体は特徴的なイボがなくなり、身体全体が滑らかにもなります。

体色も通常と比較し黄色味がやや増します。

 

ニホンヒキガエルの性別判定はこの4通りを組み合わせて、総合的に判断してみてください。

 

次に、ニホンヒキガエルの繁殖の時期や産卵の時期をお伝えします!

 

ニホンヒキガエルの繁殖の時期や産卵の時期はいつ?

 

ニホンヒキガエルの繁殖は昔から「ガマ合戦」と呼ばれるほどの、春先の風物詩です。

 

代謝が落ち土中で冬眠していたニホンヒキガエルは、その冬眠明けに繁殖行動のホルモンが分泌されます。

時期としては春先の3〜4月ごろです。

 

次は、ニホンヒキガエルの販売価格や値段をお伝えします!

 

ニホンヒキガエルの販売価格や値段はどれくらいなの?

 

ニホンヒキガエルの販売価格は約1,000〜3,000円ほどです。

 

価格帯は個体の大きさに比例します。

ただ、本来移入も含めると全国各地に生息しているので、自家採取し飼育するという方法も可能です。

 

それでは最後に、ニホンヒキガエルの種類や品種をお伝えします!

 

ニホンヒキガエルの種類や品種はなにがいる?アズマヒキガエルの違いや見分け方は?

 

ニホンヒキガエルはその種類・品種は単一であり、単独種となります。

 

厳密に言うとニホンヒキガエルの定義として、2亜種…つまり「ニホンヒキガエル」「アズマヒキガエル」と系統立つことから、2種類存在するとも言えるのかもしれません。

品種に関しては地域差や、極めて稀にアルビノ個体等が出現しますが、その幼体の小ささ・成育の困難さから品種改良等は行われていません。

 

ニホンヒキガエルとアズマヒキガエルの見分け方は鼓膜の位置と大きさで可能となります。

 

まず鼓膜自体が慣れないと観察しづらいのですが、ちょうど耳腺…つまりヒキガエル固有の毒腺の下部に位置しています。

ニホンヒキガエルはその鼓膜が眼球より小さく、距離も離れています。

反対にアズマヒキガエルの鼓膜は眼球とほぼ同じ大きさであり、眼球のすぐ後方に位置します。

鼓膜自体が認識しづらいのですが、よく観察するとピクピクと震えるので、この特徴を参考にしてみて下さい。

 

それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!

 

ニホンヒキガエルのまとめ!

 

いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは9個ありました。

覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!

 

①ニホンヒキガエルの写真(画像)!鳴き声やおたまじゃくしの特徴や性格は?毒性はあるの?

繁殖期・リリースコール時に高音で「クックックッ」とか細い声で鳴きます。

おたまじゃくしは産卵環境の過酷さから、上陸までの期間が短いのが特徴です。

性格はややノンビリとして大人しいのですが、頭部両端に耳腺と呼ばれる器官があり、その内部に毒を持ちます。

 

②ニホンヒキガエルの生息地(分布)はどこなの?絶滅危惧種なの?天敵はだれ?

主生息地は沖縄を除く西日本ですが、人為的流入が全国各地で見られます。

個体数は減少傾向にありますが、絶滅危惧種には含まれません。

その毒性から天敵が少ないですが、ヤマカガシは毒耐性を持ち積極的にニホンヒキガエルを襲います。

 

③ニホンヒキガエルが成体になると最大でどれくらいの体重や体長に成長する?平均の寿命は?

個体差が大きく全長は80〜180mm、体重は50〜600グラムとなります。

野生下では3〜5年、飼育下では10年生きることもあります。

 

④ニホンヒキガエルの飼育(飼い方)方法は?飼育環境(温度や飼育ケージの選び方)はどうする?

地表生活者なので高さより面積優先のケージを選びます。

国産種なので冬眠を加味すれば無加温、冬眠中の事故死を避けるなら20℃ほどの気温をキープしましょう。

乾燥を好むカエルですが時折水場にも入るので、水容器やキリフキは必須です。

 

⑤ニホンヒキガエルの餌と量はどうする?どう餌やりすればいい?

国内最大種ですが代謝は遅いので週2〜3回ほど、市販の餌用コオロギにカルシウム・ビタミンパウダー等をまぶし与えましょう。

 

⑥ニホンヒキガエルの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?

前脚の付け根を抑えるとリリースコールを発するのがオス、産卵準備が出来ていないメスはリリースバイブレーションをし、体を震わせます。

その他、前脚・口吻の形状などで判別可能です。

 

⑦ニホンヒキガエルの繁殖の時期や産卵の時期はいつ?

冬眠明けの春先、3〜4月ごろが最も活発な繁殖・産卵期です。

 

⑧ニホンヒキガエルの販売価格や値段はどれくらいなの?

1,000〜3,000円ほどで体長に比例します。

自家採取もぜひ行ってみてください。

 

⑨ニホンヒキガエルの種類や品種はなにがいる?アズマヒキガエルの違いや見分け方は?

極小の上陸個体、そして成育の困難さから突発的なアルビノや地域格差以外に品種は存在しません。

アズマヒキガエルとの区別は鼓膜の大きさと眼球からの位置で判別可能です。

 

それでは今回はこれで失礼します。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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